地域経済活性化支援機構について

「地域経済活性化支援機構」という言葉は聞いたことがあるものの、
実際に何をしているのか、どんな支援を行っているか分からないという人も多いのではないでしょうか。
中小企業の経営者であれば特に、知っておいて損はありません。
今回は株式会社地域経済活性化支援機構(旧企業再生支援機構)とはどんな組織なのか、
そしてその業務内容や役割についてご紹介していきます。

(株)地域経済活性化支援機構(旧企業再生支援機構)とは?

株式会社地域経済活性化支援機構(旧企業再生支援機構)、略称「REVIC」(レビック)は、日本の経済を支える中小企業等に対する事業再生支援を目的に設立された国の認可法人のことをいいます。2009年(平成21年)当初は「企業再生支援機構」という名称でしたが、2013年3月に「地域経済活性化支援機構」に改組されました。代表取締役社長は千葉銀行出身の今井信義氏、代表取締役専務は熊本銀行顧問の林謙治氏が就任しています(2016年8月現在)。地域の銀行や信用組合などの金融機関と協力し、決定から原則5年以内の完了を目指して支援等を行っています。

具体的な役割

地域経済活性化支援機構(REVIC)には主に6つの業務・役割があります。それぞれを以下にご紹介します。

1.事業再生支援業務

1つ目の役割は「事業再生支援業務」です。価値のある経営資源を持っているものの何らかの理由で過大な債務を負ってしまった事業者や病院、学校などに対して、事業再生計画をもとに支援を行います。地域の金融機関等と協力しながら債務の整理や削減をおこなって財務を再構築したり、事業内容を見直すことで事業利益を確保し、その会社・組織等を再び競争力のある事業へと再生していきます。 地域経済活性化支援機構(REVIC)が支援するメリットとしては、公的・中立的な立場のため、双方の考える利害をスムーズに調整できるという点が挙げられます。また、債務回収を一時的にストップさせたり債権の買い取りをするほか、事業者へ出資・融資を行うことで、事業再生計画を促進させることも可能です。さらに、金融や事業再生、法務、会計など専門的な知識や経験を有するプロが全国から集まる組織のため、案件に応じてそれらの人材を派遣しながら、具体的かつ実践的なアドバイス、指導を行えることもメリットといえるでしょう。

2.事業再生の関連業務

事業再生の関連業務としては、ファンドの運用による「事業再生ファンド業務」、非メイン金融機関の貸付債務を信託勘定で預かる「特定信託引受業務」、事業再生子会社を活用した「事業再生子会社支援業務」があります。

「事業再生ファンド業務」では、ファンドの運営を通して、苦しい状況の事業者の貸付債権を金融機関から買い取ったり、再生に必要な資金を社債や融資として提供したりします。「特定信託引受業務」では、メイン金融機関等でない債務を地域経済活性化支援機構(REVIC)が預かることで、メインの金融機関および、事業者、REVICの三者で事業再生を目指していきます。「事業再生子会社支援業務」では、金融機関が設立した子会社が事業者への貸付債権の移転を受け、それに対し地域経済活性化支援機構(REVIC)が出資あるいは融資を行います。また、資金面以外でも特定専門家派遣といったその他ノウハウも提供し、支援を行います。

3.活性化ファンド業務

地域の金融機関等と一緒にファンドの運営を行い、地域経済の活性化に貢献する役割を担っています。地域経済活性化支援機構(REVIC)の持つノウハウを共同する金融機関等に伝えることで、さらに強力に支援できるような仕組みになっています。主なカテゴリとしては、観光産業支援、ヘルスケア産業支援、地域中核企業支援、ベンチャー・成長企業支援、震災復興・成長支援ファンドに分類されています。

<観光産業支援ファンド>
関連する産業の裾野が広い観光産業は地域活性化において重要な鍵を握ります。REVICは、観光産業に特化したマザーファンドや地域ファンドを運営。例えば事業者が、その地域ならではの酒蔵・ワイナリーの見学ツアー、古民家再生、地産地消レストランなど観光資源の掘り起こしや新たな事業形態等を行う際に、資金と人材の両面から支援します。

<ヘルスケア産業支援ファンド>
少子高齢化が進む今、需要の高まりを見せているのが医療・ヘルスケアサービスの分野です。REVICは地域包括ケアを成立させること、そして医療・ヘルスケア産業の振興を目的に、資金・人材の両面でバックアップをおこなっています。特にヘルスケア産業支援ファンドでは事業者のみを支援するのではなく、地域包括ケアとしてその周辺医療機関や事業者などと手を結び、地域全体としての枠組みを構築していきます。それにより新しいヘルスケアサービスが生まれ、社会補償費増大の緩和や地域の雇用を生み出すきっかけとなることを目指します。

<地域中核企業支援ファンド>
地域経済を活性化するために不可欠な地域の中核企業に対して、早い段階での経営改善や、成長、再起を支援するのが目的のファンドです。金融機関等と連携しながら資金はもちろん、経営支援を行える専門的知識を有した人材を派遣し、バックアップします。 資金と経営支援人材を投入し、します。

<ベンチャー・成長企業支援ファンド>
創業・ベンチャー・成長企業への支援をすることで、地域雇用の拡充や地域経済の活性化を目指す、いわば「未来の企業」を支えるファンドです。例えば地域の大学や金融機関と連携して地域大学発シーズの事業化を支援するファンドをつくったり、地方公共団体と地域ベンチャー支援ファンドをつくったりなど、その地域のステークホルダー(利害関係者)と連携してファンドを組成することで、支援体制の枠組みをつくっていきます。

<震災復興・成長支援ファンド>
熊本地震を契機にREVICによって設立されたのが「熊本地震事業再生・復興支援」ファンドです。熊本地震で被災された事業者の事業再生、そして九州広域の復旧・復興を目的に、資金の提供や人的支援を行います。また、東日本大震災に対しては、2014年12月に日本政策投資銀行、岩手銀行、七十七銀行、東邦銀行とともに震災復興・成長支援ファンドに出資しました。

4.特定組合出資によるファンド出資業務

地域活性化ファンドや事業再生ファンドに対して、地域経済活性化支援機構(REVIC)がLP(有限責任組合員)として出資を行います。この業務は平成26年5月に行われた法改正に伴って新たに付加された業務です。機構による出資が民間への呼び水となることが期待されています。出資実績は、地域経済活性化支援機構(REVIC)のHPに公表されています。

5.再チャレンジ支援業務(特定支援)

企業債務と経営者の保証債務を地域経済活性化支援機構(REVIC)があわせて整理して、事業者の再チャレンジを支援する業務です。破産法・民事再生法・会社更生法等の法的手続きではなく、私的整理による手続きのため、保証人(経営者)は自己破産することなく再チャレンジをすることができます。保証債務の整理は「経営者保証に関するガイドライン」に沿って行われます。

<法的整理(自己破産)との違いは?>
REVICによる特定支援では、一定財産の喪失はするものの、個人情報が公開されなかったり、信用情報機関に登録されないなど、法的整理では得られないメリットを受けることができます。

6.特定専門家派遣業務

事業再生には様々な専門知識やノウハウを必要とします。地域経済活性化支援機構(REVIC)が、金融機関等やファンド運営会社、その支援・投資先の事業者などに必要な専門家を派遣することで、REVICの持つ知見やノウハウそれぞれに浸透させていき、地域経済の活性化や事業再生を促します。

また、法人融資に関し、融資役席以上の経験や、企業審査経験のある人を対象に、REVICで特定専門家派遣業務を体験できる「短期トレーニー制度」という制度も設けられています。 6ヶ月間のプログラムでは、事業性評価や事業再生等に必要なことを学べる基礎研修や、専門家の指導のもと、OJTによって実際に金融機関取引先の事業性評価を行うことができます。

まとめ

地域活性化には、その地域を支える中小企業の成長・再生が欠かせません。 地域経済活性化支援機構(REVIC)ではそのために様々な取り組みを行っており、経営者はそれを活用しない手はありません。

松山会計は関東一円での物流事業に特化した事業再生を得意としています。最初の相談は無料ですので、現在お困りの方はもちろん、将来的な不安がある方などもお気軽にご相談ください。また、もしエリア外の方や物流以外の事業再生でお悩みの方であれば、今回ご紹介した地域経済活性化支援機構(REVIC)のような半公的な機関に相談するのも1つの方法です。1人で悩みを抱え込む前に、まずは相談することで将来への道筋や可能性が見えてくるはずです。ぜひご相談ください。

【お役立ち知識】

  1. 01 「(株)地域経済活性化支援機構について」
  2. 02 「成功する事業承継とは」
  3. 03 「運送会社の事業承継」
  4. 04 「運送業の借入事情」
  5. 05 「運送(物流)業界のM&A」
  6. 06 「トラックのリースバックの危険性」
  7. 07 「事業再生と企業再生の違い」
  8. 08 「運送業の資金繰り」
  9. 09 「M&Aにおけるデューディリジェンス」